本のなかみ -その2-
I was lectured by Yuko.
コミュニケーション学では、一般概念として、参加活動者の数を基準にしてレベル分けを行っている。
まず、1対1で展開される対人コミュニケーション。続いて3人から15人程度の人たちによる集団コミュニケーション。次に学校や会社のような組織で展開される組織コミュニケーション、それから演説のように一人の送り手が多数の受け手を相手にする公的コミュニケーション、最後に一定の送り手が不特定多数の大衆を相手にするマスコミュニケーションだ。
私の専門は、対人から小集団における実践コミュニケーショントレーニングだが、それ以上に力を入れて行っているトレーニングがある。それは、対人コミュニケーションの前に定義される「個人内コミュニケーション」である。
人間は一日に、少ない人で4000個、多い人で6000個、平均して5000個のことを考えるといわれている。
また、感情の動物である我々人間は、起きているとき常に何かしらの感情を抱いているものである。
「個人内コミュニケーション」とは、これらの自分の心の中で行っている自分自身との対話のことを指す。まさにコミュニケーションの基礎中の基礎であり、円滑なコミュニケーションは、この段階にかかっているといっても過言ではない。
気持ちがいらだっているとき、不機嫌なとき、そのまま次の対人コミュニケーションの段階に移ってしまっては、うまくいかないことは目に見えている。
また、人々の多くは、周りの人たちの言動によって自分の感情を左右されてしまう。
元気な人といると元気になる、ある人から中傷されて腹が立つ、自分を理解してもらえなくて切なくなる・・・。
例を挙げれば切がない。それでは、自分のコミュニケーションが他人に振り回わされることになり、常に周りから影響を受ける習慣を身につけてしまう。
まずは自分自身をしっかりと持つことから始めよう。
他人と接する前に、自分自身との対話をしっかりと行って気持ちを整理させ、心を穏やかな状態にしてから、次の対人コミュニケーションの段階に進むことが大切である。
本のトレーニング内容は、この個人内コミュニケーションの能力向上に徹底的に拘っている。
どう自分の心と付き合うか、どうやって心地良い感情に近づけるか、に焦点を当てている。これまでの10年間、私のトレーニングやワークショップを受けてくださった1万人以上の方々の声を、しっかりと反映させる所存だ。
