学生であれ

Go your own way

今月8日、満開の桜に抱かれて入学式を迎えた。覚束ない足取りでキャンパスを探索するフレッシュマンたち。新たな出逢いの予感に心も躍り、否が応でも気合が漲ってくる。

新入生ガイダンスで私はこう述べた。
「どうぞ学生であってください」と。

近年、「学生」がすっかり少なくなった。高校4年生、高校5年生ばかりだ。「生徒」の域を全く脱せずにいる。
「徒」には元々従うという意味があるから、生徒とは、周りの模範とする大人たちの生き方に従うこと。そんな解釈ができるだろう。

しかし、学生は違う。まさに、生き方を学ぶ段階である。
己の進むべき道、生きる道をしっかりと学び見定める時期なのだ。そこには従うという概念は無用であり、それに取って代わるものが、意志である。つまり、己の主張であり、貫きだ。

「指示待ち子供」と呼ばれた世代が大学生になり始めた。上から、大人から指示されないと動けない。自分から動こうとすることをしない。
やりたいことがあっても、親に反対されるとすぐに従う。周りの大人が反対すると、これまた従う。そこには「徒」ばかりで、「貫」の存在のかけらも窺い知れない。
親の言いなり、大人の言いなり、社会の言いなり。すべてその場主義。すべて成り行き任せ。
己の価値観が全く存在しない。

自分以外の価値観の中に身を置き続けていても、己の道は絶対に見つからない。
道は己自身で見つけるもの、切り拓いていくものであり、人様から与えられるものではないのだ。

新入生諸君。合格に浮かれている場合じゃない。これまでの君たちの勉強は、受験のためだったであろう。しかし、これから4年間の勉強は、己の人生の道を見定めるためにあるということを、肝に銘じておくように。

学生であれ!

2005年4月
#068 学生であれ
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