重齢

Ageing

私は昔から年を重ねる事に抵抗はない。むしろ喜びに感じてきた。子供の頃は早く大人になりたいという願望からきていたと思うが、大人になった(?)今は違う。
それは、未知の世界、真実の世界への歩みといった感じだろうか。
今まで見えなかったものが見えてくる、今まで味わえなかったものが味わえる、そんな喜びである。

皆さんにもこんな経験は、おありだろう。
「昔読んだ本をあらためて読んでみたら、違った感想を持った」
「あの時言われた言葉は、こんな深い意味を持っていたんだ」
「分かっていたと思っていたが、本当は理解していなかった」
「お酒がおいしく感じてきた。」(笑) などなど・・・

年を重ねるとは、このような発見の連続である気がしてならない。
これが実感として結びつくようになると、毎日がワクワクしてくる。自分の周りに存在する森羅万象すべてが「師」となりえてくる。

社会に疲れきっている男たち、表面的な若さだけに固執する女たち。今の日本にはそんな大人たちが多すぎる。
体力的・表面的な若さを失うことに反比例して、ものごとの深さや醍醐味が味わえるようになる。同時に、自らも益々輝きを益す。
これこそが年を重ね得た者にしか成しえないことだというのに。

日野原重明氏・聖路加国際病院理事長は、
「老いとは衰退ではなく成熟である」とおっしゃっている。
お酒と結び付けてしまい恐縮だが、ヌーヴォのような若くフルーティなワインも美味しいが、何年何十年と寝かした(成熟させた)フルボディの赤ワインやウイスキーの味は、また格別である。ヌーヴォには絶対に醸し出せない味だ。

今月満38歳を迎えた。
まだまだ「ヌーヴォ」(?)の私が、かなり背伸びをしての今回の「独り言」でした。

2003年1月
#041 重齢
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